豊饒

彼岸も終り、明日からは 10月。 朝晩の冷え込みはすっかり秋である。田圃の稲も本格的に色づき始めた。実りの季節の到来。
今展示中の作品に「豊饒」と題するものがある。この作品の形が実にユニークで、何処からこんなフォームが生まれたのだろうと展示開始いらい考えているが、未だに分らない。多分、俊造は、そんなこと考えんでもいい、見たまま、感じたままでいいんじゃあ。と答えるだろう。
ただ、この色合いは万物の稔りの季節を表しているのではなかろうかと思う。特に黄金色の稲穂の波打つ様を眼をにすると、その思いは強くなる。こんなことを、生きている時に云うと、「兄貴がそげえ想うんなら、それでいいんじゃ」と返ってくるに違いない。解釈を押し付けることはしなかった。
話は変わるが、少し涼しくなって来館者がいくぶん増えたようである。 ( 省 )
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