「 風も逝き 石も仏けて 時空なり 」
「 激しさも 苦しさも裡に 包み微笑む 」
「 くせ者ら 仲がなだまる あなたいて 」
「 重き歌 産めず詠めず あなた故 」
宇佐の写真家 石松健男さんの奥様(写真中央の方)がお友達と美術館を
訪れてくださり、俊造さんの思い出話などで 盛り上がりました。
石松健男さんは、俊造さんより2〜3年ほど前に亡くなられています。
由布院駅の待合ホールをギャラリーにと進言した一人と聞いております。
故郷大分へ移り住んだ俊造さんに、そのギャラリーでの個展を薦めて
下さった方でもあります。
上記の俳句は、石松さんが亡くなった後、俊造さんから手紙と一緒に
奥様のもとへ送られたものだそうです。
最初の句の、「風」とは 風倉匠さん(前衛美術家)。「石」が石松健男さん。
俊造さんは、石松さんも風倉さんのことも大好きだったと聞いてはいましたが
改めてその深い思いが伝わってきます。
詩から伝わってくるもの 、それは彼の持っていた他人とのつながりに対する愛おしさ・深さ・厚さ、そんな気がします。
ヒトの持つ六つの感覚を研ぎ澄ませて生きていた、それは必ずしも一般受けするものではなかったと思うけれど、理解し共感してくれた友人がいたことは本当にありがたいことと思います。
石松さんは、実に穏やかな方だったとのことです。
美術表現者としての俊造さんをちゃんと理解し、いろいろ気にかけて下さっていたようで、そんな石松さんを心から信頼していたんでしょうね。