杵築高校三年生、現代国語の授業中のことだった。
先生が、卒業を真近にひかえた僕らに、「お前たちは、ここを卒業して
社会に出て行くわけだが、将来の日本の社会は、どうなったら平和で
幸せな世の中になるか、考えてみろ」 という問いかけだったと思う。
誰も答えることが出来ずにいる中、佐藤君だけが手を挙げた。
「僕は 日本中の人間が裸になって暮らせる様な そんな社会が実現
すれば、世の中 平和になると思う。」 との答えに、教師も 僕らも
沈黙せざるをえなかった。
このエピソードが 今も忘れられない。
おそらく、あの頃の誰よりも本を読んでいたのであろう。彼の感性は
常に時代の先を行く。
天才とは、そういうものかもしれない。
「 あすありと おもう こころの あだざくら
夜半の嵐の 吹かぬものかは 」
生前の彼に会いたかった、
会って 話がしたかった。
日出町の萬里図書館で 花の木美術館のことを知り
俊造さんが亡くなっていたことに驚き、そのまま自転車で
かけつけてくださった同級生です。(筆者 了承)