3日は憲法記念日。世間では連休後半の初日ということで、混雑しているらしい。その余波が及んだのかもしれないが、最近では珍しく10人の来館者があった。僕は農作業等もあり常時の来客対応は出来ないが、知っている人が来ればできるだけ会話するようにしている。8人目の2人連れが帰られた後、今日はもう1人来て、10人になるといいねなど、つれあいに言い残しちょっと出かけた。用事を済まして、閉館時間真近に帰宅すると、車が一台。おおっと思いながらドアを開けると、10人目の御客がいるではないか。写真をしている町内の知人である。
彼曰く「この線は鹿鳴越えの稜線ですね」
そうだったのか。そうだよな。と僕は納得がいった。
好きな絵だったが、どうしても緑一色の中で左右に流れる白い帯が分からずにいた。言われてみればこの稜線は作者の原風景であった筈である。当地から眺めると西方に望める、鹿鳴越連山は撫で肩のような柔らかい姿をしている。山の麓が日出の市街地である。
写真家の彼曰く。景色の中にある無駄をすべて消し去って、最後に残したかったのがこの線でしょうね。なるほど、云われてみればそのとおりと納得。絵の題名は「死線・光る影」である。その謎解きはまだできていない。でも一歩踏み込めた感触はある。作者はこの山の向こうに西方浄土を見ていたのかも。季節は新緑。一月に出したときは思いもよらなかった見かたを知ることとなる。こんな出会いがあるのはありがたいことだ。自称管理人も教えてもらうことばかり。でも、それが楽しい。 (省)
来館者とともに楽しむ
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