我が家のことではなく、
俊造さんが在籍していた、杵築高校演劇部顧問のご家族のことです。
その先生が、ご家族と一緒に花の木美術館を初めて訪れてくださいました。
先生は、退職後も杵築の街の発展にご尽力されていたのですが、
数年前に脳梗塞で倒れたとのこと、それでもその後の懸命なリハビリにより、随分回復されたようです。
けれど、後遺症が少しあるということで、ご自分から人と会うことを極力控え、殆どお家から出られなかったそうです。
大分に住む娘さんが、父の日のプレゼントをしようと「お父さん、何かして欲しいことはある?」と尋ねたところ、「花の木美術館に連れて行って欲しい」と言われたらしいです。
先生は、俊造さんが心から信頼し尊敬する方だった、ということをこれまで花の木に来られた俊造さんの同級生や、当時の教員仲間の方から聞いていましたので、できるものなら、こちらも是非とも俊造さんの作品を観に来ていただきたいと思っていました。
俊造さん達杵築高校演劇部は、県内で優勝し、九州内でも上位のレベルだったようです。
でも、練習場所がなく、運動部が練習を終えた後の体育館を使用したり、いろいろな面で大変だったそうです。
それでも、部員達の頑張る姿に先生は、家庭のことは後回しにしてでも ( ご家族のご苦労も多かったと思います ) 顧問として熱心にご指導されたようです。
当時の様子や、俊造さんの思い出話をされる先生は、時折感無量になられ、本当にお互いに信頼し合っていたことが伝わってきました。
娘さんが、帰り際に
「 病気をしてから、こんなに話をする父を初めて見ました。」
と、嬉しそうに仰っていました。
とても良い父の日でした。